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メキシコ国旗 メキシコ料理がすき!

トルティーヤの材料「マサ・ハリナ」


メキシコ人の主食「トルティーヤ」。その材料になる粉は、とうもろこしの粉を加工したもので、日本ではアメリカ製のものが「トルティーヤ・ミックス」などという名称で、輸入食材店で売られています。メキシコでは、このトルティーヤの粉は「マサ・ ハリナ masa harina(またはマサ)」と呼ばれています。メキシコ製のマサ・ハリナは、黄色っぽいアメリカ製の同製品に比べて色が薄く、出来あがりもソフトです。アメリカ製の粉は、焼きあがりがパリパリになります。

個人的にはメキシコ製の方がおいしいと思います。日本の本格的なメキシコ料理店ではこちらを使っている場合が多いようです。 そもそもアメリカでは、くせのない小麦粉のトルティーヤの方が好まれているようで、テックスメックスと呼ばれるようなアメリカ・テキサス風メキシコ料理レストランなどでは、まず間違いなく小麦粉のトルティーヤが出てきます。こちらはもちろんソフトな歯ごたえ。

とうもろこしと小麦粉、どちらがいいかはそれぞれの好みとしても、残念なのは、本場で食べられているメキシコ製のトルティーヤの粉が日本ではなかなか市販されていないことです。→注:2011年現在ではかなりトルティーヤの粉が日本でも普及しました。
 
そこで、自分で粉を調合して、メキシコ製に近い「マサ・ハリナ」を作ってしまおうと思い立ちました。まず実験。なるべく黄色味の薄いとうもろこしの粉を買ってきて、単純にそれを水で練って延ばして鉄板で焼く。結果は見事に失敗でした。延ばしているうちに粉が分離してぼろぼろになってしまったのです。そこで、つなぎ(かんすい)を入れてはどうか?これは今度リベンジ戦(?)で、再実験をしようと思っています。

竹内海南江さん著の「ワールドクッキング 中南米編」には、トルティーヤの作り方として、とうもろこしの粉(粒の細かいもの)、小麦粉と、塩、オイルを混ぜる方法が掲載されています。これで作ればすんなり

余談ですが、小麦粉トルティーヤが定番のアメリカでも、ニューメキシコ州などの南西部に行くと、ブルーコーンをはじめいろいろな種類のとうもろこしの粉で作られたトルティーヤがありました。 とうもろこしって黄色だけじゃないのですね。
←トルティーヤのばし器

ところで、トルティーヤを効率よく延ばしていくには? メキシコやアメリカ南西部のメキシコ系家庭では、トルティーヤを簡単に作れる「トルティーヤのばし器(?)」が普及しているようです(上写真)。これは、金属製の2枚のまるい板がセットになったもので、板の間に生地をはさんでのばすしくみになっています。

しかしながら、カンクンの主婦ルルさんの話によると、以前は毎朝各家庭で作っていたトルティーヤも、最近ではアツアツを売る町のトルティーヤ屋さん(!)で買ってすませてしまうことが多くなったそうです。日本でほかほか弁当が広まったのと似ていますね。

レシピ「トルティーヤ」

profile 著者:青木ゆり子 Author: Yurico Aoki

e-food.jp代表、各国・郷土料理研究家、全日本司厨士協会会員 調理師。主な著書:図鑑NEOまどあけずかん「せかいのりょうり」監修(小学館 2021)、「世界の郷土料理事典」(誠文堂新光社 2020)。


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