スリランカ国旗 スリランカの料理

スリランカ民主社会主義共和国 Democratic Socialist Republic of Sri Lanka | アジア  →この国の料理のレシピ・リンク集世界料理マップについて


ゴダンバロティ
ゴダンバロティ

インド等の影響を受けた、お米を大切にする国

インド亜大陸の東南部、インド洋に浮かぶ宝石と紅茶で有名な島国スリランカ。かつてはセイロンと呼ばれ、1948年にイギリスから独立しました。紀元前5世紀に北インドからやってきた仏教徒のシンハラ人を中心に、紅茶栽培の労働者としてイギリス人がインド南部から連れてきたヒンドゥー教徒のタミル人、また海を渡ってきた少数のイスラム教徒らが暮らす国です。
アジア
↓クリックすると詳細な
グーグルマップが見られます。
スリランカ
スリランカ

スリランカ地図宗教や文化の違いから、シンハラ人とタミル人には味付けに違いがあります。たとえば、シンハラ人の料理に比べて、タミル人の料理はカレーにとうがらしやこしょうを多用するため非常に辛かったり…。

共通しているのは、お米を食べること。スリランカ人にとってお米は大切なものであり、仏教でもヒンドゥー教でも寺院にお米をお供えするくらいです。バスマティや赤米などいろいろな種類のあるお米は炊いて食べられるほか、お米の粉をココナッツミルクと水を混ぜて発酵させ、焼いたり蒸したりします。これはホッパーと呼ばれ、筒に入れて麺状にしたストリング・ホッパーや、クレープ状に油で焼いた上にたまごを落とすビッタラ・ホッパーなど、いろいろなバリエーションがあります。

スリランカのカレーは魚や肉(特にチキン)、野菜、レンズ豆などの豆を具に、ココナッツミルクがよく使われます。南部でよく食べられている酸味のある魚カレーのアンブル・ティヤル(Anbul Thiyal)やチキンカレーなどカレーの種類は多く、スパイスは、ターメリック、カルダモン、クローブ、ナツメグ、黒コショウ、シナモンスティック、カレーリーブズにとうがらし、にんにくなどが使われます。味付けにはライムジュースや、モルディブフィッシュと呼ばれるモルディブ産のかつお節が欠かせません。

カレー以外には、お祝いのときによく食べるカトレットという、ゆでたじゃがいもとたまねぎ、青とうがらしに炒めたひき肉や魚を混ぜ、パン粉をまぶして焼いたコロッケのようなヨーロッパ風料理や、小麦粉の生地をのばして油で焼いたロティ(具を巻いたものをゴダンバ・ロティという)、インドと同じビリヤニ(スパイスの入り炊き込みご飯)なども。食事には、ピクルスやチャツネ、サンボル(サンバル。ココナッツなどで作る)がついてきます。

またスリランカは、インドやかつて旧宗主国のイギリスをはじめ、ポルトガルやオランダ、アラブ、マレーなど東西のさまざまな国から商人らが訪れ、料理にも影響を残していきました。たとえば、ランプレイス(Lamprais)という肉やごはん、バナナ、たまごなどをバナナの葉で包んで蒸した料理。これは、おそらくインドネシアあたりからオランダ人が伝えたものと思われます。

飲み物は何といっても紅茶!今ではスリランカを代表する輸出品である紅茶は、実は、イギリス植民地時代にコーヒーを栽培していたところに害虫の大発生で壊滅的打撃を受け、その代わりに紅茶を栽培しはじめた経緯があるそうです。世界3大銘茶のひとつともいわれるウバ茶をはじめ、その質の高さは折り紙付き。ほかに、ココナッツの花苞から花汁(トディー)を採取して発酵させたお酒アラックなどの飲み物もポピュラーです。


■参考文献



スリランカ

面積6万5,610k㎡
人口約2,000万人
首都スリ・ジャヤワルデネプラ・コッテ Sri Jayewardenepra Kotte
住民シンハラ人74%、タミル人18%、スリランカ・ムーア人7%など
言語シンハラ語、タミル語(共に公用語)、他に英語
宗教仏教70%、ヒンズー教15%、イスラム教8%、カトリック7%
建国1948年2月4日 (イギリスより独立)


■この国の料理&文化がわかる本
GO TOP