トロントのエスニックタウンについて
トロントは、60以上のエスニックコミュニティのあるカナダ最大の都市。現在、カナダの人口の約5分の2がイギリス、フランス、先住民族以外の血統をひとつ以上持っているといわれていますが、まさにそれを象徴するような街です。
白人優位とする白豪主義から、国際的孤立と人口減少を理由に移民を受け入れるようになった経緯のあるオーストラリアに対して、カナダは、旧宗主国イギリスとフランスの戦い(フレンチ・インディアン戦争)の苦い経験から、「多様性こそわれわれの力」として、人権擁護の法律に基づいた多文化政策を長く実践してきました。民族と人種の多様性を認識し、尊重することをうたった、世界で最も理想的な多文化主義を実践している国家ともいわれ、それゆえ、トロントのエスニックタウンは、多文化共生の現場を学ぶのに最適な場所といえるでしょう。
そんな理由からか、カナダと隣接しているアメリカに住みにくさを感じるようになった人々(たとえば、9.11以降のムスリム系の人々)が、近年、カナダに大量に移住してしているといいます。
トロントの街には地下鉄とバスが網羅しており、ほとんどのエスニックタウンには、それらを利用して訪ねることができます。上の地図は主なエスニックタウンのみ掲載しましたが、実際はまだまだあります。中華街やポルトガル人街、ギリシャ人街など、中心地に近いエリアが、比較的、短期旅行者でも行きやすい街だと思います。